盆栽はお金が掛かるというイメージをお持ちの方も、多いようにお見受けします。
確かに、何十年もの人生の多くの時間を掛け、ものによっては人の手を渡り次ぎ100年以上もの間、植物の成長を細かく観察しコントロールして愛情を注ぎ、まさに手塩に掛けて手入れを施してきた盆栽には、驚くほどの価格が付く事も想像できると思います。
ですが、それほどお金を掛けずとも盆栽の本質を充分に楽しむこともできます。
こちらは当園が種から育てた樹齢5年の赤松の鉢植えです。1500円で販売しております。
この幼赤松の鉢を一見した方の中には、
もしかしたら、これでその値段は高いと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかしこの状態に育つまでにも、根を大切に育てる松山園では、存分に手を加えております。
種を植えて芽吹き、四季の寒暖の差を感じさせながら最適な陽の光と水を与えて根を育て、将来の姿の考えて枝を抑制しながら、大元を成形する2年。
3年目で一度すべての根を洗い、直根(太い根)の選定と今後の成長に合わせた根はりを考えて、やっと鉢植えしたものになります。
根洗いという言葉はあまり聞き慣れないかもしれません。
サツキ盆栽などでは広く行われますが、まさに言葉の通り土を落とし根を洗うことです。サツキの場合、根詰まりを防ぎ成長が阻害されないように行います。
ですが、当園が鉢入れで行う根洗いはまた違います。
盆栽で最も大切な立ち上がり、自然の樹形の芸(骨格)を見つけ掘り出し、その樹勢を支える引き根を考えた根張り作りに必要不可欠だからです。
松山園ではサツキ盆栽など特定の品種だけでなく、幼苗から育てたものすべての根を洗い、各個体が自ら作り出す芸を見定めます。
小さな姿のまま老熟を体現する盆栽では、若々しい成長を促してしまう不用意な植え替えを避けます。
ですから、一番初めの鉢入れで、今後何十年もの樹形の礎を整えます。
その後、こちらが樹齢15年ほどの赤松。
こちらが樹齢25年ほどの小品盆栽です。
小振りながら赤松として老熟した肌(樹皮)の表情と、生き生きとした存在感があります。
この南蛮鉢は幅3センチ(1.5号)ほど。
「どうしてこの鉢でこんなに立派になるの?」とよくおっしゃっていただきますが、これが根を作り大切に育てる技の妙と自負しております。
観葉植物のように鉢を大きくして肥料を与え、ただ植物を大きく育てるのは、いとも簡単です。
ですが盆栽の世界では、その植物に生命力を与えつつ成長を抑制し年月を掛けて、樹皮の老熟した小さな容姿の中に、大きな世界観を作ります。
相手は生き物ですから、好む水の量や日の光も千差万別です。
松山園では、盆栽に興味を持たれたお客様のご要望をお聞きして、理想のイメージに最適なご提案をさせて頂きます。
駐車場もございますので、遠方からお求めのお客様にもご愛顧頂いております。ぜひ足をお運びくださいませ。
(上信越自動車道長野東ICより車で1分にございます)
また盆栽は、日々観察して愛情を注ぎ手間ひまを掛け、その成長を味わうのが大きな楽しみです。
そんな盆栽の手入れの仕方や考え方について、単日参加のワークショップや通いの盆栽教室も開催しております。お気軽にお声掛けください。
※ワークショップへご参加頂く場合は、事前のご予約をお願いします。詳しくはこちらのページをご覧ください。
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